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めて聞いたところ、このけがは、「偶然」起こったことではない。教室でのY子ちゃんの座席は、N子のななめうしろ。N子が、ななめうしろのY子ちゃんのノートを見た時、Y子ちゃんに、「うしろを向かないで」「見ないで」といわれたのである。そのことを、恨みに思っていて、「いつか、やってやろう」と思っていたのである。そして、チャンス到来とばかり、Y子ちゃんを追いかけ、バーンと力いっぱい押した。柱の角に、Y子ちゃんの額がぶつかり、血が、ドバーと出た。まわりにいた子どもたちは、急いで、先生を呼びに行った。N子は、その場に、つっ立ったまま、Y子ちゃんを見ていたということである。翌日、早退した夫といっしょに、再度、あやまりに行った。一体、この子は、どこまで、やってはいけないことが、わかるのだろうか。担任がおっしゃった、人間として、ぜったい、してはいけない三つのことのうち、二つまで、してしまった。私たちは、心身をすりへらしてしまったが、N子は、それほど、深刻に考えていないようだ。ケロッとしている。というのは、続く日曜日のことである。日曜日は、5年生のAちゃんと剣道の稽古に行く。N子は、すてきなAちゃんにくっついている。ところが、この4月にもうひとり5年生の女の子が入会した。当然、A

 

 

 

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